あなた自身が人になにかをおすすめする時、なにが最も必要になるでしょうか?
自分が気に入っている本やゲーム、アーティストやいろんな趣味、これらを人に勧めたいときに
相手はなにを重視して「買いたい」「始めたい」と決めるでしょうか?
品質や性能、話題性、いろいろと判断材料がありますが、
最も相手が判断材料にするのはあなたの「魅力」です。
今回は人に買ってもらう、始めてもらうために必要な自身の魅力についてのお話をします。
どんな本か
27歳にして十数社の企業を経営する著者は営業に最も重要なのは自身の「魅力」であると言います。
実際にモノを売る仕事をしているセールスマンだったり、
なにかのサービスをこれから作ろうとしている人に向けた「営業のスキル」であったり「モノを売る考え方」を「ただ単に商品やサービスを売る」ということではなく、
「お客様の悩みを解決する。」という考え方で
自身の「魅力」の捉え方を営業の枠を超えて良い人間関係の形成にも通じるようなテクニックを
全187ページにわかりやすく章立てで簡潔に説明してくれています。
作者

後藤伸(株式会社ART TEADE JAPAN 代表取締役)
著者は営業に対し重要なのはあなた自身の「魅力」だと言います。
現代は高品質だから売れる、低価格だから売れるような時代ではありません。
低価格で高品質な物は次々につくられていて、人はそういった部分を購入の判断材料にしなくなってきています。
ではなにが判断材料になるのか?
それは誰から買うかということです。
つまり紹介するあなたがどういった人間なのかが重要なのです。
あなた自身の人生観や価値観が買い手の判断材料になります、他にもあなたの実績なんかも有効な判断材料になってくるでしょう。
別に「権威がある、影響力がある人がオススメしているから買う」ということではありません。
人は何かしらの悩みがあり、それが欲求になります。
マズローの欲求5段階説というのをご存知でしょうか?
マズローの欲求5段階説とは?各欲求を満たす心理学的アプローチを用いたサービス事例【図あり】
人は物を買うときにこれらの欲求から物を欲します。
その欲求は言い換えれば「悩み」とも言えます。
つまり営業とはサービスや物を売る、ということではなく相談に乗り、悩みを解決してあげるということになります。
例えば「子供の入学式に着ていく服を探している」というお客様がいたとします。
その人は「入学式に着るフォーマルな服の選びに悩んでいる」と言い換えることができます。
なのでその悩みに対して相談に乗り、お客様の気持ちをさらに引き出して考えに合うピッタリな服を選んで悩みを解決してあげることが営業なのです。

いかにお客様の気持ちと通じ合うことができるか、そのためには人としての魅力「人間力」を高める必要があります。
営業力を細分化すると5つの能力によって構成されています。
- コミュニケーション能力
人と会話し、心を通い合わせる能力 - ヒアリング能力
相手の話をしっかりと聞き、円滑な人間関係をつくる能力 - 思考力
いろんな人に会うことで醸成される人の考え方 - 決断力
判断力とも言えますが、必要な場面で判断して決定する能力 - 行動力
一歩踏み出す能力、そして始めたことを続ける継続力でもある
実際にはこれらは営業の現場だけではなく、現代の人間関係や仕事をする上では絶対に必要なものです。

つまり営業力を鍛えるということは、同時に人間としての魅力を鍛えることにもなります。
相手になにかをオススメするときは、内容をしっかり理解してもらって納得してもらう必要があります。
そのときに使えるテクニックが5つあります。
- ピクチャートーク
相手が実際にその場にいるような想像がしやすい表現で説明すること
例)大きな黒いデスク→
幅が150cmあって卓上にプリンターとPCを置いてもまだスペースに余裕があるマッドブラックのビジネスデスク
- ストーリー仕立て
物語調にバックグラウンドを加えて説明すること
例)「いままでに色んな掃除機を試してきたけど、吸引力がだんだん落ちてきて最後には全然吸わなくなるんだよね、でもこの掃除機はもう3年使ってるけど買った当時と全然性能が変わらないんだよ」
- 第三者の意見を入れる
個人の意見やレビュー、権威のある有名人や自分が尊敬する身近な人の言葉入れて説明すること
例)職場の先輩が言うには、あの本を読んだことで孫子の考え方を知って仕事の生産性向上につながったらしい、だからあの本は読む価値があるんだよ
- ブーメラン話法
説明の中で否定的な意見が返ってきたときに、その意見を肯定しつつ丁寧に別角度から自分の主張を返すこと
例)「いまはお金がないから本を買えない」という否定的な意見に対して
「お金がないからこそ、本を読んで勉強することが大事なんですよ」
- 数字を入れる
説明の中にデータなどの数字を入れて話の信憑性を高めること
例)年収が高い人は本をよく読んでいる→
年収900万円超の人は年収450万円の人に比べて約3倍、本を読んでいる

こういった論理的なテクニックを使うことで、相手に内容を理解してもらい納得してもらいやすくなります。
営業力を高めるということはつまり自身の魅力を高めるということでもあります。
僕はこの本を読んでいて、「魅力を高める=人間力を高める」と解釈しました。
さらに人間力を高めた人間のことを「人格者」であると僕は思います。
この本はアウトプットとしての営業に関するテクニックと、
人の中身にあたる魅力を高めた人格者になるための教えの2つに分けられて説明されているようにみえます。
自身の中身「魅力」を高めるために有効だと感じた教えを2つを紹介します。
- 「自分との約束」を守る
約束には「他人との約束」と「自分との約束」があります。どちらも大事なことですが、自分との約束をとにかく大事にしてください。
人には自分の中に実際の銀行のような「信頼残高」というものがあります。
その残高は増やすことも減らすこともできますが、残高は自分への自信や尊厳に繋がっています。
自分との約束を守ることで信頼残高を増やすことができ、それは自身の「魅力」を高めることに直結します。
逆に、約束を守らなかったことで信頼残高は減っていき、
同時に周りからも「あの人は口先だけの人」というように失笑を浴びることになるでしょう。
- 喜びの共有
笑顔で良い人間関係は構築されていきます。良いことがあったときに一緒に心から喜んでくれる人はやはり相手から信頼されやすいです。
相手に良いことをして、相手を笑わせるのではなく、一緒に笑うのです。
相手の悩みが解決され、これから明るい未来があるということを自分のことのように一緒に喜ぶのです。
そこにはシンパシーが生まれてお互いの人間関係が良好になっていきます。
あと、やっぱり人の幸せを心から喜べる人は素敵ですよね。
さいごに
今回はいつも僕が読むような自己啓発的な話とは違うビジネスのテクニックについての内容でした。
紹介した内容はこの本の全体の半分にも満たないくらい有用な情報に溢れていましたが、
もしもっと知りたいと思った人はぜひ手にとって読んでみてください。