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【要約】任せる技術/小倉広 仕事を任せて部下を育てる


どうも、ちょびブログのちょびです


今回は、小倉広さんが書かれた「任せる技術」について解説していきます。

もしもあなたが、あなたの仕事を後輩や部下に任せることができないのなら、

この本は読む価値があります。


  • どうすれば後輩・部下が育つのか?

  • どうすれば自分自身がレベルアップできるのか?

  • 後輩や部下に仕事を任せたいけど、任せられない。

本書は「任せられない」ことを「任せられる」ようにするための知識が記されています。

作者

小倉広 株式会社フェイスホールディングス代表取締役

リーダーシップ開発と理念浸透についての教育やコンサルティングを行っている

30歳代に向けた本を多数出版していて、「30歳代のメンター」と呼ばれている。

人は任されて育つ

うまく仕事を任せることができればその人は育ち、間違った任せ方をするとその人は潰れる。

だからこそ任せ下手な上司ほど、部下に仕事を任せることを恐れます。


他にも上司が部下に仕事を任せたくない理由として

  • 部下に仕事を任せて失敗したとき、上司の責任になることが怖い

  • 部下にやらせるよりも、自分でやったほうが早い

  • 上司自身が忙しいことに快感を覚え、仕事を部下に渡したくないと思っている

  • 部下に仕事を任せたいが、どこまで任せていいのかわからない

などなど、「任せられない」理由はたくさんあります

本来、「任せる」ということは部下にも上司にもWin・Winな関係にあります

上司は部下に仕事を任せることで1段階上の仕事へシフトアップできますし、

部下も仕事を任されることで成長できる、とても魅力的なチャレンジです。


上司が部下に仕事を上手く任せることができれば、双方のレベルアップになるでしょう。

ムリ承知で任せる

部下に仕事を任せられない人は共通する考え方がある

それは「できるようになってから」

その考えがある限りは、部下に仕事を任せることはできません。


あなた自身も部下だった頃、できるようになってから任されたわけではないですよね

「できないうちに」任されたのです

何度も失敗して、試行錯誤しながら少しづつできるようになった

任されたから、できるようになったのです。


部下は任されることで、主体性が育ち、期待に応えようと頑張ります

そういった部下が最も成長できるのが「失敗を経験」することです。


部下は「任される」ことで、初めて「失敗」を経験できます

「失敗」することで多くのことを学び、「失敗したくない」と心から思うようになります

そして様々な試行錯誤を行い、やがてうまくいくやり方を見つけます

それを繰り返すことで体で覚え、どんどん成長していきます。

「失敗」から「成功」に至るまでのプロセスこそが部下を育てる

だからこそ、ムリを承知で部下に仕事を任せるのです

上司は部下を育てるために「失敗」を経験させてあげるのです。

任せる仕事を見極める

上司が仕事を任せるときにやりがちなのが

「責任」を負わせずに、「作業」だけを任せることです。


これでは本当の意味で仕事を任しきれていません

「責任」は上司が負ったまま、指示された「作業」だけを部下に任せていることになり、部下は成長しません

人は責任を負い、責任を果たすことで成長します。


つまり「任せる」ということは「作業」ではなく「責任」を与えることでもあるのです

そしてあなたはその仕事の完成を要望し、部下を信じて、隅々まで目を光らせずっと見て、決して手を出さず、口を出さずにジッと待つのです。

「任せる。」と伝える

上司としてやってはいけない任せ方があります

それは嫌がる部下を「説得」することです。


お願いだから、あなたにリーダーを頼みたい

本当はやりたくないですけど…仕方ないですね

こういったやりとりがあった場合、その部下は次々に問題をもたらし、確実に失敗します。


新たに仕事を任された部下は強いプレッシャーやストレスに悩まされます

理想のリーダー像と現状のギャップに強い違和感を感じることでしょう

そうなった部下は2つのどちらかの行動を起こします。


・努力して自分を変えることで困難を乗り越えようとする

これは良いパターンの行動です

自分自身に矢印を向けて、もっと現状を良くしようと一所懸命に頑張ります

こういった部下は、あなたが思い描いた通りに成長していくでしょう。


・原因を他人や環境のせいにする

「こんなに辛い目に遭うのは仕事を押し付けた上司のせいだ」

などと自分以外に矢印を向けて、できない原因をすべて他人のせいにしてしまうのです

こうなってしまった部下はそこから成長できません

当然ながら任せた仕事は失敗するでしょうし、上司と部下の関係にも溝ができてしまいます

部下を説得して任せることは、絶対にしてはいけません。


ではどうしたらいいでしょうか?


それは「部下に自分で選ばせる」ことです。


そのためには必ず、仕事を任せることのマイナス面を包み隠さずに伝えることです

任せる以上は結果を求められること、上司からの支援にも限界があること、プレッシャーの大きさなど

あらかじめ任される仕事のマイナス情報をきちんと伝えるのです

その上で、部下が自分で決断するのを待ちます

つまり、リスクを覚悟で自己決定させるのです。


もちろんマイナスなことだけではなく、その仕事を通じて身に付くスキルや経験だったり、成し遂げたことによる達成感、そしてあなたからの期待感も「説得」にならない程度に伝えます

そして最後には「どちらを選ぶのかは君次第、ぜひ自分で決めてくれ」と最終決定を部下に委ねます。

こうすることで、部下は「自分以外に矢印を向ける」ことがなくなり

仕事を任された部下は高いモチベーションを持ち、結果的に成功する可能性が上がります。

ギリギリまで力を発揮させる

仕事を任せたからには、部下には仕事のレベルアップを求めます。



「あらゆることは自分で解決できると、自分が解決するのだ。」という考え方を教えてあげることです

そのためには、上司が模範的な行動をとることはもちろん

トップダウンで仕事を強制せず、意思決定に部下をさせて自分で決めさせたり、

部下には小さな成功体験を積ませ、自分に自信をつけさせることです。


部下の姿は上司の鏡です

上司は部下に対して自分ができないことを求めてはいけません

上司がすべきことは、まずは上司たる自分自身が「自分に矢印を向ける」ことで、部下のせい、会社のせいにせず、

自分に何ができるだろうか?と考え、100%そのことに集中することです。

口出しをガマンする

中国のことわざに
「子供に魚を与えれば1日は食べられる。しかし、魚の獲り方を教えてあげれば一生食べられるようになる。」というものがある

部下に仕事を任せたのなら、口を出したり、手を出してはいけない

部下自身に主体性を植え付け、心の底から問題にどっぷりと浸かり、本気で課題に取り組ませ

そのためには上司は口出しをガマンして彼らから主体性を奪わないようにしないといけない。


自分自身が活き活きとするのではなく、部下が活き活きとしている姿を見て喜びを感じる

そんなふうに自分の価値観を変化させていかなくてはいけない。

定期的にコミュニケーションする

「なにかあったらいつでも相談に来いよ」と言って本当に相談に来る部下はいない。


相談したいと部下が思っても

「忙しそうにしている上司に声がかけにくい」

「準備もなしに相談にいくと叱られそう」と思ってしまい、相談が億劫になってしまう。

そうならないためにもコミュニケーションの定例化が必要になる

本書では1日1回の業務日報の共有と、週1回の部下一人ひとりとの定例面談が有効だといいます。


1日1回の業務日報の共有では、「部下に任せる」と言った仕事を「あの仕事どうなってる?」と毎日尻を叩かないようにするため、部下が毎日やっている仕事をチームで共有する習慣をつけることです。


週1回の定例面談では、可能ならば1回1時間ほどやってほしいが、15分でも30分でもかまいません

とにかく毎週1対1で行うことが大切です

1対1だからこそ心を開いて話せることもあります

定例面談で話し合う内容は様々ですが、基本は任せた仕事のPDCAです

「次はなにをする予定なのか、どんな資料を使うのか」

「結果はどうだったか、今後はどうしていくか」

計画(Plan)、実行(Do)、検証(Check)、修正(Action)のうち、Do以外を面談で確認して助言して、次の仕事につなげていくために面談をします。

仕組みをつくって支援する

「これさえ使えば誰でも70点の仕事ができる」という仕組みを作ります。


例えば、

  • 問題発生時に使えるトラブルシューティング

  • 営業の仕事であれば一問一答のセールストークマニュアル

これらを作ってそれを部下に使わせます。


すなわちそれが、彼らの武器になります

その武器さえあれば全員が常に70点の仕事ができる状態を作るのです。


じゃあ残りの30点はどうするのか?

その残り30点は余白としてわざと残して部下に独創性発揮の場として与えます。


100点のものを渡してお膳立てする必要はない

そもそも、部下に仕事を任せる目的は、部下を育て、成長させることです。

だからこそ残りの30点は堂々と部下に求めるのです。

さいごに

僕自身、いまの職場でリーダーとして上司から仕事を任され始めるポジションなので

自分の仕事と照らし合わせながら読んでいました。


この本は上司目線でも、部下目線でも見える視点が変わり、他にも学べることが多くありました。


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