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【要約】ルフィの仲間力 『ONE PIECE』流、周りの人を味方に変える方法/安田雪 未来の海賊王に学ぶ

どうも、ちょびブログのちょびです

今回は2011年に安田雪さんが書かれた

「ルフィの仲間力 『ONE PIECE』流、周りの人を味方に変える方法」を紹介します。


誰もが知る、モンスターマンガのワンピース

本書が発売された2011年8月当時の最新刊は63巻でした

そのときのワンピースの累計発行部数はなんと2億4000万部...!!

(ちなみに2020年4月発売の96巻の帯には、累計発行部数4億7000万部突破!の文字が!!!!)

さらには2015年6月には「1人の作者が描いたコミック累計発行部数」としてギネス認定されています。


なぜワンピースは老若男女問わず、これだけの人に愛されるのか?


もちろん面白いから、というのもありますが

その人気の秘密にはワンピースの中心的なテーマに「仲間」があるからではないでしょうか。


現代社会を生きる誰もが持っている「かけがえのない仲間がほしい」という欲求が

ワンピースのこの人気を支えているのだと思います。


本書はワンピースを題材に「仲間力」について考えることで

ワンピースの中からヒントを得て、仲間の大切さや、人生を豊かでイキイキと生きる術を学ぶ本です。

著者


安田雪/関西大学社会学部教授

人や組織のつながりかたを考察する「社会ネットワーク分析」が専門。


ネットワークの形が人や組織に及ぼす影響力を、大学、企業、NPOなどと連携して研究している。

あらすじ

最初に、ワンピースのストーリーを軽く説明しておきます。


富、名声、力かつてこの世の全てを手に入れた男、

海賊王ゴールド・ロジャーが遺した「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を求めて、多くの海賊たちが旗を掲げ、

時代は大海賊時代へ突入します。


海賊に憧れる少年ルフィは村に滞在する海賊の船長である、赤髪のシャンクスを慕っています

少年ルフィはシャンクスたちが見つけた悪魔の実の「ゴムゴムの実」を食べ、全身ゴム人間になってしまいます

しかし、悪魔の実を食べた者は、強力な能力を得る代償に一生泳げない体になってしまうのです。


あるとき、少年ルフィは村に来た山賊とトラブルを起こし、少年ルフィは海に投げ出されてしまいます

溺れている少年ルフィは近海の主・海獣に食べられそうになりますが

シャンクスが駆けつけ、ギリギリのところで自身の左腕と引き換えに少年ルフィを助けます。


ルフィはこのとき、海の怖さや海賊の偉大さを学び、「いつか海賊王になる」と思い始めます。


その夢を聞いたシャンクスは、大事にしていた麦わら帽子をルフィに預けます

「いつか俺に返しに来い」と言ってシャンクスたち海賊は次の冒険へ出発しました。


そして10年後、17歳になったルフィは、麦わら帽子を被り、シャンクスの後を追うように村を旅立ちました。


ルフィは海賊王となり、ワンピースを見つけることを目標に、

「偉大なる航路(グランドライン)」を航海する中で、たくさんの強敵と戦いながら、

仲間を見つけて共に成長していく物語です。

仲間関係に欠かせないもの

生きる覚悟を宣言する

主人公のルフィが「海賊王になる」という夢を掲げて、大海原の冒険に飛び出したように

学生が社会人として世の中に飛び出していったり、転職や新しいことに挑戦することもルフィと同じです。


世の中には、理不尽なことや無理難題を投げてくるような人もいます

そんな人らを相手に、ルフィのように立ち向かうことは容易ではありません。


もし、人生を冒険とするなら、ルフィたちのように楽しく突き進んで行きたいものです

そのために、心から笑い合えるような仲間が必要です。


本書では仲間とは

「一人では叶えられないような夢を共有できる存在」としています。


ルフィ
「自分の命を懸ける覚悟だ‼︎」

2巻 第10話「酒場の一件」より


心から信頼できる仲間を見つけ、毎日を後悔しないためにも

まずは、それを自他共にはっきりと宣言することが大事です。

生き方に信念を持つ

ルフィたちは率直に自分たちの意見をぶつけ合っている場面が多くあります

ときには仲間同士で喧嘩することもありますが

それでも仲間としての信頼関係は決して揺らぐことがありません。


むしろ、自分の考えや生き方に信念が無いと、仲間として認めてもらえないくらいに思えます。


ルフィとウソップがゴーイングメリー号の処理をめぐって「男同士の決闘」をしたときも

敗れたウソップに対して、仲間は声をかけずに見守ります

ここで声をかけて同情すれば、ウソップの誇りに傷がつくとみんな知っていたからです

喧嘩をしたとしても、こういった信頼のおける関係は崩れません。


仲間とは、お互いの意見をぶつけ合って、時には喧嘩して、また笑い合えるような人間関係です。


仲間を集める力

自ら旗を掲げる

「海賊王にオレはなる!」と冒険に出たルフィの夢は一切ブレることはありません。


ここから学べる3つのポイントがあります。


一つ目は「自ら旗を掲げること」

そもそも旗を掲げないことには、仲間を見つけることもできません

誰かの旗に(夢に)乗っかることもできますが、ルフィのように生きたければ自ら旗を掲げる必要があります。


旗を掲げることで、自分と同じような夢や目標を持った人に出会えます

自分の心の中にある夢を、まずは口に出して伝えましょう

そうすることで思わぬ人が仲間になってくれるかもしれません。


自ら旗を掲げる、これが冒険への第一歩になります。


二つ目は「わかりやすい旗を掲げること」

できるだけ大きく、わかりやすい旗を掲げることで人に認識されすくなります

人はわかりやすい夢に集まりやすいです。


ルフィの「海賊王になる」という夢は大きくわかりやすい夢です

「バカなやつ」と思う人もいるでしょう、逆に「面白いやつ」と思う人もいるはずです

海賊王になるためには一人では成し遂げられません。


「バカなやつ」と思うような人は仲間に入れなければいい

その夢を「面白い」と思ってくれる人と一緒に大きな夢を見ればいいのです。


三つ目は「一度掲げた旗は決して下さないこと」

海賊にとって旗は誇りそのものです

海賊旗を下すことは、屈辱的で、夢を諦めたと同義です。


たとえ戦いに敗れたとしても、旗さえ下さなければ夢は続いている、前に進んでいるのです

どんな逆境でも、苦難でも、夢に向かって努力し続けることでそこに人は集まってきます。


旗を下さない限り、旗は人を呼び続けるのです。

行動で示す

ルフィは、どんな困難が訪れても、敵がどれほど強くても、絶対に仲間を守ろうとします

状況が苦しい時ほど、仲間を守ろうとする覚悟を周りに示します。


世界政府に連れて行かれたロビンを助けるために、ルフィは仲間とともに救出に向かいます

このとき彼は狙撃手のウソップに世界政府の旗を打ち抜き、燃やすように指示します

この行動はルフィから世界政府への宣戦布告でもあります。


これからどんな苦難があろうとも、必ずロビンを救出する

これは自分や仲間、強敵、さらには世界中に向けたルフィの覚悟を示すパフォーマンスです。


仲間を守る覚悟を見せることで、仲間だけでなく、自分自身にも力を発揮します。

仲間と助け合う力

自分の弱さを見せる

仲間と助け合うために必要なことはなんでしょうか?


それは、自分の弱さを見せることです。


プライドが高い人にほど、自分の長所をアピールしがちです

一方で、自分の弱さを見せることには抵抗があり、とても勇気がいることです

自分の弱さが知られると「自分を否定されるのではないか」

「いまの関係が壊れてしまうのではないか」と不安や恐怖を感じてしまうからです。


アーロン
「バカで非力で愚かな種族が人間だ‼︎ 海に沈んでも一人じゃ上がってこれねェ様なてめぇに何ができる‼︎」

ルフィ
「何もできねェから助けてもらうんだ‼︎ おれは剣術が使えねェんだ コノヤロー‼︎ 航海術も持ってねェし‼︎ 料理も作れねェし‼︎ ウソもつけねェ‼︎ おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある‼︎」

アーロン
「そんなプライドもクソもねェ てめェが一船の船長の器か⁉︎ てめェに一体何ができる‼︎」

ルフィ
「お前に勝てる」

10巻 第90話「何ができる」より


これはワンピースの中でも有名なセリフです。


このセリフには

ルフィの「自分の弱さを素直に認める強さ」と、「これを聞いた仲間に沸き起こる力」があります

このとき、おそらくルフィの仲間たちは「私がいなければ…」「オレがやらなきゃ…」と

ルフィに対して信頼が強まり、より一層仲間であることを強く自覚します

自分の弱さを周りに見せることで、仲間との距離が一気に縮まるのです。

仲間を信頼する力

思いを託す

ルフィは仲間からだけでなく、たくさんの人から信頼されています

航海の中で、多くの人が彼にいろんな場面で協力しています。


それは、ルフィが「人から託された思いを形にしてくれる」からでしょう。


ルフィたちは空島に向かう途中、モンブラン・クリケットという男に出逢います

彼は有名な童話「うそつきノーランド」に出てくる、モンブラン・ノーランドの子孫です。


その童話の内容は、

400年も昔の話、ジャヤ島に黄金郷と美しい音を鳴らす「黄金の鐘」を発見したノーランドは、故郷に帰ってそのことを国王に報告した

黄金郷の話に目がくらんだ国王は、ノーランドとともにジャヤを訪れることになる。


しかし、ジャヤには「黄金郷」も「黄金の鐘」もなかったため、ノーランドはうそつき呼ばわりされ、無念のうちに処刑されてしまった。


長い間、先祖のノーランドのせいで罵声を浴びせ続けられたモンブラン・クリケットは、その呪縛から解放されようと

「黄金郷」を探し続けていた。


モンブラン・クリケットの協力で、空島に到着したルフィたちは

そこで空島を支配して、我がモノにしていたゴッド・エネルと闘い、さらにそこでノーランドが発見した黄金郷と黄金の鐘を見つけます。


ルフィ
「ウソなんかついてなかった‼︎ だから下にいるおっさん達に教えてやるんだ‼︎ "黄金郷"はあったぞって…‼︎ 鐘を鳴らせば聞こえるはずだ‼︎ だからおれは‼︎ 黄金の鐘を鳴らすんだ‼︎」

31巻 第294話「雷迎」より


鐘の音を聴いて、ノーランドがうそつきではなかったこと、黄金郷が空にあったことを知ったモンブランは、ルフィたちに涙ながらに感謝します。


人の想いを託されることほど強い信頼関係はありません

ノーランドの想いは、モンブラン・クリケットに託され

モンブラン・クリケットの想いは、ルフィたちに託され、見事にその想いに応えています。


託された人の力は、託した人によって引き出され、伸びるのです。

仲間と成長する力

自分の特技で仲間を助ける

仲間とともに大きな夢を叶えるなら、仲間全体の成長が欠かせません

仲間とはそれぞれの「個」の集まりなので、一人ひとりの成長が仲間全体の成長につながります。


では、なぜ個人レベルでの成長が必要なのでしょうか?


それは、一つに「仲間と大きな夢を叶えること」

そしてもう一つに「仲間であり続けること」があります。


仲間が成長しているのなら「自分も負けていられない」「自分も成長しなくては!」と、

まるでゾロとサンジのように、仲間でありながら最大のライバルであり続けるのです。


ゴーイングメリー号の処理をめぐってルフィと喧嘩をしたウソップはこのように言っています

ウソップ
「使えねェ仲間は…次々に切り捨てて進めばいい…‼︎ この船に見切りをつけるんなら…おれにもそうしろよ‼︎」

「正直おれはもう お前らの化け物じみた強さにはついて行けねェと思ってた‼︎ 今日みてェに ただの金の番すらろくにできねェ この先もまたおめェらに迷惑かけるだけだ おれは…‼︎ 弱ェ仲間はいらねェんだろ‼︎」

35巻 第331話「大喧嘩」より


ウソップは普段から自分が、仲間の「足手まとい」になっていると思い、辛かったのでしょう

だからこのような言葉をルフィにぶつけたのだと思います。


しかし、仲間は誰もウソップの弱さを非難したりしません

それでもウソップ自身がその弱さを一番わかっていて、コンプレックスなのです

だからこそ、誰かに言われるでもなく、自分から克服しようと、成長しようとするのです。


自分の存在が、「仲間の夢を壊してしまうんじゃないか」という恐怖が
成長の原動力になっているのです。


では、どのようにして仲間のために自分を成長させるか?


それは「自分の長所をひたすら伸ばすこと」です。


ここで言う長所というのは「その人の個性」とも言えます

麦わらの一味には、全員に唯一無二の個性があります

ゾロは剣術、ナミは航海術、ウソップは狙撃、サンジは料理、
チョッパーは医術、ロビンは考古学、フランキーは船大工、ブルックは音楽

各自がその個性を活かして仲間を助けようとしています。


マリンフォードでの頂上決戦後、麦わらの一味は全員バラバラの場所にいました

義兄のエースを失い、悲しみ苦しんでいるルフィのためにも、それぞれ自分が力にならなければいけないと考えます。


すぐにでも傍に行って励ましたいと、ルフィの力になりたいと考える仲間達は約束の3日後の集合場所へ向かおうとします

しかし、ルフィから「3日後ではなく、集合は2年後だ」というメッセージを受け

仲間達は、その2年間で自分の力をできる限り伸ばそうとします。


そして2年後に、シャボンディー諸島で大きく成長した仲間達が集合するのです。


人は、自分のためではなく、他人のためのほうが努力できるのです。

さいごに

麦わらの一味は見ていて本当に憧れる仲間たちですよね

僕もこんな仲間がほしいです。

ルフィたちのように命がけな冒険はできませんが、ルフィの仲間力は、僕らの社会でも活用できそうなこともあるのではないでしょうか?

僕も一緒に夢を共有できる仲間を探します。


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