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【要約】続ける技術/石田 淳 努力のいらない習慣を作る方法

突然ですが、あなたは意識的に習慣づくりをしたことがありますか?

例えば「毎日寝る前に1時間読書をする」だとか「毎日仕事から帰ってきたら近所を走る」といったものです。


それらはちゃんと継続できているでしょうか?
多くは、「何をやっても3日坊主になってしまう…」「継続させるモチベーションが湧かない」と言い、
なかなか続かずにいつの間にかやめてしまっているという人は多いのではないでしょうか?

そしてやめてしまった人は「継続させ続けることができる人は限られた一握りの人だけなんだよ。」と思うでしょう。

そんなことはありません。

習慣化したいことが「自分のやりたくないこと」「好きじゃないけど将来自分のためになること」といったものが多いです。

自分がやりたくないことは、そりゃ続かないですよね笑

逆に好きなことならモチベーションがどんどん湧いてきていくらでもやれますよね。

例えば、英語が大好きな人が英会話スクールに通うのは苦にならないし、日頃の楽しみになるでしょう。

実は人の習慣化には「やりたくないこと」でも続けることができる科学的な方法があります。

それは「強い意志」や「やる気」などの努力が一切必要なく、
習慣化の方法を知るだけで

「続けたいけれど続けれないもの=増やしたい行動」

「やめたいけれどやめられないもの=減らしたい行動」

これら両方に効果を発揮することができます。

どんな人でもできる、努力のいらない習慣化の方法について解説していきます。

参考著書

なりたい自分になる

みなさんも何かを達成するために目標を立てることがあると思います。

  • ダイエットを成功させる
  • 禁煙する
  • 毎日読書をする

でも、「あ〜また続かなかった」「モチベーション保てない…」といって失敗に終わることがあるでしょう。

さらに周りから「お前は意志が弱い」「すぐに諦める人」なんて続かない人という悪いイメージを与えてしまうこともあるかもしれません。

世の中には続けられる人と、続けられない人がいますが違いはなんでしょう?

意志の強さ?やる気?才能?

そういったものは一切関係なく、科学的な方法で続けることができます。




行動をつくる3つの要素

半世紀ほど前にアメリカで生まれた「行動分析学」をベースに作られた「行動科学マネジメント」によると、
人の行動に焦点を当てると、3つの要素からなっているといいます。

例えば、「部屋が寒い。(A)」「だから、暖房をつける(B)」「その結果、部屋が暖かくなる。(C)」といった感じです。

これを行動科学マネジメント的に言うと

  • A、先行条件 ー 部屋が寒い
  • B、行動 ー 暖房をつける
  • C、結果条件 ー 部屋が暖かくなる

このように表現されます。

つまり「行動が発生しやすい先行条件を整えることで行動はコントロールできる」ということです。

このときに注意しなければならないことがあります。

それは「ターゲット行動」です。

ターゲット行動とは続けたい、コントロールしたい行動のことです。

例で言うと「暖房をつける」という部分になります。

過剰行動と不足行動+ライバル行動

ターゲット行動がはっきりすると、その行動を達成するための課題を明確にする必要があります。

ターゲット行動には2種類の過剰行動と不足行動があり、それを把握することで課題が見えてきます。

  • 過剰行動 ー 
    過剰に感じる行動のことで、減らそうとしていることや、やめようとしている行動のこと(タバコや食べ過ぎなど) 

 

  • 不足行動 ー 
    足りていないと思う行動で、これからやりたいと思うこと、増やしたいと思う行動のこと(読書やランニングなど)

不足行動を例にすると「ビジネススキルを高めるために毎日会社帰りにプログラミングの勉強する」とします。

実は不足行動にはやっかいな問題があります、それは「ライバル行動」と呼ばれ、ターゲット行動を邪魔する他の魅力的な誘惑のことです。

「今日は残業で疲れたからプログラミングの勉強は休もう」
「勉強するためにパソコンを開いたけどYouTubeを見てしまう」など、例を挙げればキリがありません。

今回の記事の内容は「過剰行動」「不足行動」「ライバル行動」

これら3つの行動をコントロールしていくことを解説しています。

3つの行動を理解するとそれに対するアプローチが見えてきます。

これまでのおさらいとしてまとめてみましょう。

あなたの続けたい行動が過剰行動なのか、または不足行動なのかをまずは把握します。

たとえば、禁煙が目標ならターゲット行動は「タバコを吸わない」というやめたいことなので「過剰行動」になりますし、

毎日読書することが目標なら「読書」がターゲット行動になり、増やす行動なので「不足行動」となります。

また、不足行動を邪魔するものとして「今日は残業で疲れたからやめておこう…」というような「ライバル行動」も存在します。

環境を作れば自ずと行動も変わる

ターゲット行動の種類が分かれば、次に不足行動を起こりやすく、過剰行動を抑えるための先行条件を考えてみます。

「読書する」という不足行動を起こりやすくするには、例えば「寝る前に読めるように枕元に本を置いておく」「いつもカバンに本を入れておく」などが先行条件になります。

この不足行動に対してのライバル行動は、「暇があればずっとスマホを見てしまう」などがあげられます。

なのでライバル行動に対する対策としては、「寝る前はスマホはリビングに置いてくる」「スマホの電源を切る」などがあります。

「禁煙する」という過剰行動にはタバコを吸いにくい環境に身を置く先行条件が良いでしょう。

例えば「喫煙所の近くを通らない」「全面禁煙の飲み屋にいく」などがあげられます。

つまり、ターゲット行動の種類に対して適切な環境に身を置くことでその行動は習慣化しやすくなります。

僕の体験談なのですが、実は僕は昔かなりのヘビースモーカーでした。

いつも仕事の休憩中や移動時間はずっと吸っていて、1日に2箱吸う日もありましたが「禁煙しよう」と決めてタバコに関する環境を全て変えました。

それから7年ほど経った今は全く吸っていませんし、途中で心が折れそうになるようなこともありませんでした。

僕がタバコをやめれた理由を振り返ってみると、無意識的にこの過剰行動への先行条件決めができていたのだと思います。

やりたい行動を決めても頭の中だけではなかなか成功へのイメージをつけにくいと思うので、
それぞれの行動に対する「見える化」したアプローチを紹介します。

フロント行動リサーチとアフター行動リサーチ

増やしたい行動、つまり不足行動ですね。

それらの行動を起こりやすくするために先行条件をリサーチします。

フロント行動リサーチ

あなたがそのターゲット行動をどんなときに取りがちなのか?

また、ライバル行動はどんなものなのか?

それを詳細に考えて見える化する方法として、わかりやすいシートがあるので活用してみましょう。


シートを活用したリサーチによって、不足行動とライバル行動がどんなときに起こりやすいかが把握できたと思います。


アフター行動リサーチ

先行条件についてだけではなく、結果条件についても考えます。

あなたがターゲット行動を行った時にどんなメリットがあるのかを考えましょう。

不足行動をしやすくするコツ

不足行動をさらに発生しやすくする、またライバル行動の発生を抑えるコツとして、3つのポイントがあります。

  • 行動のヘルプ ー 
    行動の数を増やすための手助けになる手段です。
  • 動機付け条件 ー 
    その行動をすることによるメリットを考えること。
  • 行動のハードルを下げる ー 
    フロント行動で挙げた行動の頻度や持続時間(ハードル)を下げること。

これらを不足行動とライバル行動に対してアプローチすると次のシートのようになります。

ここまでに記入したシートを見ながら自分の行動が起こりやすい状況を把握して、
不足行動の習慣化を実践してみてください。




不足行動よりやっかいな過剰行動

過剰行動(タバコや暴食など)の多くは努力なく継続できてしまい、快感やメリットを感じやすいため不足行動よりもやっかいです。

過剰行動を抑えるためには、ターゲット行動が起きにくい環境を作ることが大切です。

そのためには不足行動でも使用した3つのポイントを意識して先行条件をリサーチします。

  • 過剰行動のヘルプを取り除く ー 
    ターゲット行動に繋がる条件を減らすこと。
  • 動機付け条件を取り除く ー 
    その行動をすることによるメリットと同等の代替え案を考える。
  • 過剰行動のハードルを高くする ー 
    ターゲット行動をすることが難しい状況をつくる。

これらを見るとわかると思いますが、不足行動の逆のことをすればいいんです。

ただ、不足行動のときとはちょっと違うことがあります。

2つ目の「動機付け条件を取り除く」「メリットと同等の代替え案を考える」ことです。

これを行動科学マネジメントでは「チェンジ行動」と言います。

仮に、禁煙で例えると「タバコを吸うことでリラックスできるメリットがある」

これに対しての代替え案を考えると「禁煙パイポを吸う、禁煙ガムを噛んで落ち着かせる」などがあります。

行動リサーチで発生条件を探る

過剰行動に対してもシートを活用してみましょう。

基本的には不足行動とは逆なので理解は難しくないと思います。




メジャーメント

行動を習慣化するためには、続けている行動が目標に対してどれくらい進んでいるのか?

それが分かるとさらに継続しやすくなります。

メジャーメントを活用することで、行動がどれだけ減ったか、または増えたかどうかを計測することができます。

行動科学マネジメントでは、先行条件よりも結果を意識します。

行動の増減(結果)を把握することで、自分の習慣化を見える化することができ、設定した先行条件が正しいものだったのかを知ることができます。

メジャーメントを行うときに重要なのが、「主観的にならず、客観的に変化を見る」ことです。

また、「前より増えた気がする」「けっこう減った」といったあいまいな判定もやめましょう、なるべく数値化して定量的に計測します。

禁煙を例にするとこんな表を作るとわかりやすいと思います。

ラストゴールとスモールゴール

あなたはなぜ行動するのか?それは目標があるからですよね。

メジャーメントでは「客観的に、数値化して定量的に」とお話ししましたが、それに付け加えてラストゴール(最終目標)とスモールゴール(中間目標)を決めるとさらに効果的です。

ラストゴールとスモールゴールはメジャーメントと合わせて使うことで目標達成に向けて自分が今いる立ち位置と進捗状況がハッキリします。

例えば、ラストゴールを「1年後には5kg痩せる」と決めたとします。

そのためにはスモールゴールとして「1ヶ月後は○kg減」「2ヶ月後には○kg減」といった小さな中間目標を立てます。

スモールゴールはもっと細かくでも大丈夫です、むしろ細かい方が自分がいまするべき行動が見えやすくなります。

大切なのは目標に対してフィードバックが取れることです。

行動契約書とサポーター

いままでは全て自分自身の中で完結できる知識でしたが、これは人に自分の習慣化に協力をしてもらうことで効果を発揮するものになります。

それは「行動契約書」を作ることです。

これには契約相手(サポーター)が必要になってきますが、誰でも大丈夫です。

サポーターには定期的に行動ができているかを確認してもらい、行動契約書では「ご褒美」「ペナルティ」を設定します。

例えば、「ダイエットのために毎日炭水化物を1食抜く」目標をサポーターと契約書を交わし、週1回チェックしてもらいます。

ちゃんと続けて入れれば、ご褒美として「毎週土曜日は好きなものを食べれる」

もしできていなければペナルティとして「明日は出社時に一駅前から歩いて出社する」などと決めます。

こういったサポーターに協力してもらった動機付けをすることでさらに継続することができるようになります。

最近ではTwitterなどのSNSで自身の行動を宣言してフォロワーにチェックしてもらうといったやり方もよく見かけます。

さいごに

習慣化する方法はこういった知識があればすぐにでも実践できます。

もし、あなたがいまなにかやりたいことがあるのなら、この記事を参考にしてみてください。

僕自身もTwitterで行動の宣言や記録をしているので、ツイートを見て僕の目標のサポーターになってくれると嬉しいです。

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